「ターンオーバーの乱れを整える」とよく言われますが、特に大人ニキビを繰り返す肌には重要なことなので、肌(皮膚)とターンオーバーについてわかりやすく説明します。
皮膚の構造
皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層で構成されています。
私たちが、毎日化粧品で肌のお手入れをし、関わっているのは一番外側の表皮です。
表皮の役割
表皮は外界からの異物の混入を防いだり、身体の水分の蒸散を防ぐなど、身体を保護する役割をしています。
さらに、表皮は4つの層で構成されていて内側から順番に「基底層」「有棘層(ゆうきょくそう」「顆粒層」「角層(角質層)」に分かれています。
ターンオーバーとは
身体の細胞は、分裂を繰り返しながら新しい細胞と古い細胞が入れ替わっています。
スキンケアでいうターンオーバーとは、「表皮の部分での細胞の入れ替わり」を指します。
表皮は、およそ0.2ミリほどの薄い膜です。
この0.2ミリという薄い膜の中で時間をかけて、皮膚の生まれ変わりが行われています。
そして、その最表面にあたる角層の厚みは、0.02ミリほどの非常に薄い膜です。
この角層部分が、バリア機能と保湿機能という重要な役割を担っています。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの周期が長くなる
皮膚の最表面が硬くなるという事は、
- 古くなり役目を終えた角層細胞が剥がれ落ちずに皮膚に蓄積する。
- 角層細胞、角層が十分な水分を保持できない状態で、ごわごわ(柔軟でなくなる)する。
ターンオーバーの周期は、年齢とともに長くなると言われていますが、一概にそれだけとは言い切れません。
ニキビ肌の人は、肌が硬くなりやすい傾向があるのは、体質(遺伝)が関係します。
でも、肌はたんぱく質でできているとも言われますよね。
食生活(特にたんぱく質不足)は、肌の生まれ変わりに大きく影響してきます。
ターンオーバーの周期が短くなる
ターンオーバーのサイクルが短くなる場合があります。
これは主に、肌に刺激、負担をかけすぎて起こることが多いです。
肌を守る役割のある、わずか0.02ミリという薄い膜(角層)は、乾燥や刺激、摩擦で傷つきやすいのです。
ターンオーバーのサイクルは、長くても短くても肌荒れ、ニキビなど肌トラブルの元になります。
ターンオーバーの乱れの原因
原因ターンオーバーの乱れの原因には、次のようなことが考えられます。
- 紫外線による刺激、乾燥
- 物理的刺激
- 肌質(体質)
- 食生活(たんぱく質不足)
- 生活習慣など
ターンオーバーの乱れを整えるには?
まず、硬くなった肌表面を柔軟にするには、角質ケアローションや拭き取り化粧水が効果的です。
拭き取り化粧水は、アルコール成分が入っているものは、アルコールが肌の水分を奪い、また刺激を感じやすく肌の負担になるので、ニキビ肌は避けるべきです。
角層が硬くなっている(角質肥厚)からと言って、肌を擦ってしまうと、今度はサイクルを早めてしまい、長くなったり短くなったりということを繰り返すことになります。
ニキビケアの化粧水には、角質を柔軟にする成分が配合されたものや、セラミド配合のものもあるので、そういった化粧水を選ぶのも良いです。
とにかく、肌を触るのは最低限にし、洗顔でも肌に負担をかけないようにすること。
そして、肌への潤いをたっぷり与え、その後は、乳液やクリームで保護すること。
弱った角層の水分保持機能を高めるために、水分などの潤いとともにセラミドを増やすケアはなお効果的です。
丁寧なスキンケア(外からのケア)と一緒に、質の良い睡眠、栄養バランスなど内側からのケアをすることも大切ですよ。
まとめ
ターンオーバーを整えるという事は、角層を健やかな状態に保つという事につながります。
これは、ニキビ、肌荒れ、肌老化などあらゆる肌トラブルを解消する上で大切なことです。
肌はなるだけ触らない、擦らないことが美肌ケアには大事といいますよね。
角質層がなんらかの理由で傷ついたり、層内の均衡が不安定になったり、ターンオーバーの乱れで古い角質と新しい細胞の入れ替えがうまくいかなくなるとバリア機能も低下します。
角層の外側が厚くなるからと言ってバリア機能が高まるわけではなく、反対に、角層の水分は少なくなっています。
角質細胞同士の間をつなぐ(満たす)役割の細胞間脂質のバランスが崩れると、隙間が生じてバリア機能の役目も、うまく果たすことができません。
肌表面を柔軟にし、角層が水分で満たされるようにケアすることが大切です。