私たち、ヒトの皮膚には、多くの常在菌がいます。
代表的な常在菌
- 表皮ブドウ球菌
- アクネ桿菌
- 黄色ブドウ球菌
- 真菌類(マラセチア菌など)
菌というと、悪いイメージを持たれるかも知れませんが、これらは、お互いに均衡を保って、直接外部と接触する皮膚を守る機能があります。
表皮ブドウ球菌やアクネ桿菌、そして真菌類も、汗(アルカリ性)や皮脂を餌にグリセリンや脂肪酸をつくり、それらは肌を弱酸性に保ち、保護してくれています。
表皮ブドウ球菌
グリセリンや脂肪酸を作り出します。
脂肪酸は肌を弱酸性に保ち、皮膚細胞と同じように抗菌ペプチドを作り出すことで、黄色ブドウ球菌をけん制し、増殖を防ぎます。
抗菌ペプチドは自然免疫因子の一つで、タンパク質の最小単位であるアミノ酸が約10~数10個連なって形成されたものです。直接外部と接触する身体のあらゆる部位に存在し、菌の細胞膜を直接攻撃することで殺菌作用を発揮し、菌の増殖を抑制するものです。
「生理前にニキビが出来る」という現象は、女性ホルモンであるプロゲステロンが増加する影響から、この抗菌ペプチドの産生が低下することがわかっていて、アクネ菌への対抗力が弱まることが原因と言われています。
アクネ桿菌
嫌気性菌で、酸素のある環境を嫌うため、毛穴や皮脂腺に存在します。
皮脂を餌としてプロピオン酸や脂肪酸を作り出すことで皮膚表面を弱酸性に保ち、皮膚に付着する病原性の強い細菌の増殖を抑えるという大切な役割を担っています。
ただ、毛穴が塞がれ、皮脂がたまるというアクネ桿菌にとって高環境になることで過剰に増殖すると、炎症を起こしニキビになります。
黄色ブドウ球菌
皮膚表面や毛穴に存在する常在菌で、そのままだと害のないものです。
でも、ブドウ球菌の中では病原性が高いため、皮膚がアルカリ性に傾くと増殖し、皮膚炎などを引き起こしたり、黄ニキビなど悪化したニキビの原因になります。
真菌類(マラセチア菌など)
真菌類も、皮脂をエサにグリセリンや脂肪酸をせっせと作ってくれます。
ただ、背中ニキビは黄色ブドウ球菌やマラセチア菌が原因で可能性が高いことも事実です。
常在菌のバランスを保つこと
全身の皮膚に、常在菌が存在し、それぞれがバランスを保って健康な身体、健康な皮膚を維持しています。
全身にはそれぞれの部位に特徴的な常在細菌が存在し、それぞれ定められた場所に存在してバランスを保ち成立しています。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れ本来の存在する 場所から別の場所へ侵入してしまうと重篤な感染症を引き起こす場合があります。
引用元 皮膚の常在細菌について
バランスを保った状態の常在菌たちは、問題がなく、身体、皮膚を守る役割をしてくれます。
このバランスを崩す原因には、免疫も関係するということです。
ニキビを作らせない、美肌を保つ肌のケアには、内側と外側の両方が大切なのですね。